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みなさん、こんにちは
神戸・芦屋・大阪のヒプノセラピールーム、心理カウンセラールームの心理カウンセラー、駒居義基です
では、早速始めましょう。
前回は、摂食障害のケアの在り方について触れました。
今回は、摂食障害の原因について考えてみたいと思います。
摂食障害を発症する時期として多いのが、概ね12歳前後から20歳くらいで、女性が大半を占めます。
この時期は思春期に当たるため、当事者にとって親や周囲の大人、友人の存在が絶対的な意味を持ちます。
その関係の中で何かしらの傷つきを経験し、自己否定の感情を持ってしまった結果、摂食障害を発症してしまいます。
摂食障害の心理状態を一言で言えば、「生きている価値を見出せなくなった」という状況と言えるでしょう。
つまり、自分自身が安全に生きて行くという事を、何かしらの原因で否定しなければならなくなった状態という事が癒えるわけです。
これは、親の養育に問題があったり、友人間の間でのトラブルが原因であったりと様々です。
しかし、親の養育が全く問題なくても、その養育姿勢と本人との間にギャップが生じてしまった結果、摂食障害を発症するというケースも見られます。
これは、私のクライアントの話しなのですが、親、特に母親が家事も仕事も完璧にこなす人だったのですが、そうした母親と自分とを比較してしまい、その結果として摂食障害に至ってしまった…というケースがありました。
話しを戻しますと、通常私達は人から愛されたい、認められたいという願いを持っています。
しかし、それが何かしらのカタチで阻害されると、自分自身の存在そのものが脅かされます。
つまり、生きていることそのものが否定される、という体験です。
しかし、心はそうした状態でも生き続けようとしますから、愛情を受ける事が出来なくなってしまったので、代替案を考えます。
愛されたいという思いも食欲も、脳の視床下部が司っています。
つまり、愛されていないという体験があると、脳はその受け取るべき愛の代わりに、食事を与える…という事をしてしまうんですね。
ただ、過食嘔吐ではなく拒食症を最初から発症してしまう方もいます。
ここには、愛情をめぐって人が取るパターンが影響します。
愛情を受ける事が出来なくなった場合、人は2つの行動を取ります。
1つは、相手に対する不信感から、相手からの愛情を受け取る事をしなくなる、というもの。
もう1つは、愛情をひたすら求めてしまうというもの。
本来受けるべき愛情を受ける事が出来なくなり、その結果として不信感を持ってしまった場合、相手が示す愛情の否定となりますから、これが拒食症と繋がります。
一方で、ひたすら愛情を求めているという場合、その愛情を受け取る事が出来ないので、その代替として過食になってしまう、というパターンにハマってしまいます。
いずれにせよ、満たされない想いと食欲とが結び付き、本来の食欲が機能しなくなるのが摂食障害なのだと言えるでしょう。
摂食障害に脳の視床下部が関係しているという話しをしましたが、摂食障害は気持ちや心の問題というよりは、脳のエラーと考える方が妥当と言えるでしょう。
脳の視床下部にある食欲中枢が機能しなくなるので、本人の意志ではどうにもならなくなるのが摂食障害です。
この場合、摂食障害からの回復には、その本人の「傷つき」に対する癒しがどうしても必要となってきます。
特に摂食障害は思春期に発症する事が多く、その段階で自己否定が強いと、健全な自己像を持つことが難しくなります。
そのまま大人になってしまうと、摂食障害を抱えながら生き辛さや健全な人間関係を構築できない、さらにはうつ病等も併発する可能性が高くなります。
そのため、まず「どのような傷つきがあるのか」という点を丁寧に探る事が、本格的な回復の第一歩となります。
では、また次回!
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