駒居義基の自己紹介はこちら
心理セッション可能日はこちら
みなさん、こんにちは
神戸・芦屋・大阪のヒプノセラピールーム、心理カウンセラールームの心理カウンセラー、駒居義基です。
今日は恋愛依存の6回目ですね
バックナンバーはこちらをごらんください
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
さて、今日は共依存からの回復について考えてみましょう。
共依存は、一次症状と二次症状から成り立っています。
一次症状については、「恋愛依存と共依存(1)」で触れましたので、ここでは割愛いたします。
二次症状ですが、これは共依存者本人が、円滑な人間関係を作れない責任を他者に求めているものです。
つまり、一次症状によって円滑な人間関係の構築が難しいのですが、共依存者は、その責任や理由を他人に求めてしまっているんですね。
これは意図的なものではなく、クライアントの潜在意識が、円滑な人間関係を自分の責任で構築できないという事になってしまうと苦痛が強くなるので、ある種の緊急避難的に構築した認知のゆがみと言っていいでしょう。
また、自分自身が共依存者という自覚がないのであるならば、一次症状の病識があるはずもなく、その結果、二次症状の病識を得られないという、しごく当然の結果でもあります。
では、その二次症状にはどのようなものがあるのでしょうか?
・否定的な方法での人間関係の支配・コントロール
共依存者は、傷つけられることに対して強い恐怖があるので、自分を正しいとし、他者を間違っているとします。
そして、自分の意に沿うように否定的なメッセージを相手に送り、相手を委縮と恐怖で縛り付けてしまいます。
パートナーの悪口を延々と言い続け、肯定的な所に目をやらない、というのがその典型例です。
そして、相手が反旗を翻したときには、自分の正しさを理解しない相手が間違っている、とするのです。
・怒り
共依存者は、先述したように傷つく事を極端に恐れています。それは、元々深い傷を負ってしまっているがゆえに、これ以上傷つかないようにする、共依存者ならではの必死の努力なのです。
しかし、そうした自己防衛のために、共依存者は残念なことに怒りを用います。
具体的に言うと怒りは活力を生みます。その怒りに基づく活力によって意にそぐわない相手に制裁を加えます。
また、その怒りは共依存者にも向けられます(そもそも、怒りというのは相手だけでなく自分をも傷つける感情なのです)。
その怒りは、共依存者が傷つけられた際に生じた怒りなので、常に共依存者は怒りを内包しながらフラストレーションを抱えながら生き続ける事になるのです。
・他者あるいは自分の過剰な崇拝
共依存者は怒りや恐怖、崇拝を通して他人を自分の投影の対象にしたり、あるいは自分自身が投影の対象になろうとします。
この投影はいわゆる「ハイヤー・パワー」と呼ばれるもので、共依存視野にとって、自分ではなし得ない実績や生き方をその人に投影して、あたかも自分がそうした能力を持っているかのように錯覚します。
しかし、この崇拝は極めて脆弱なもので、何かあると急に崇拝していた相手をこき下ろしたり、自己否定に走ってしまいます。
そうした意味で、この症状は境界性人格障害とも重なる面があります。
・別の依存症の発症
共依存の人は、常に自分自身の中で、共依存の自分と機能的な自分との間で葛藤を抱えています。
そして、機能的な自分自身と健全な関係を作れない、あるいは共依存者特有の「虚しさ」を感じるとき、共依存者は別の依存対象(セックス、薬物、アルコール等)に耽溺する事があります。
・人間関係上の極めて深刻な断絶
私達があるがままの自分を感じる事が出来るのは、他者との関係の中でありのままの自分として振舞えるという体験がかなり大きく影響します。
しかし、それが出来ないとなると、対人関係での断絶を生んでしまいます。
そして、その断絶はそのまま対人関係を育む機会を喪失する事になるので、かなり年齢を経ても人間関係上では未熟さを抱えた状態になってしまいます。
これらが共依存の二次症状ですが、二次症状は一次症状によって生じるものなので、まず一次症状から解決を図り、そのあとに二次症状に着手する…というのがスタンダートな対処法です。
では、どのように回復していくかというと、一次症状に着目しながら、以下のプロセスを経る事になります
(1)否認
私は何の傷も負っていないし正常である、という考え
まず、否認から始まり、成育歴などを丹念に一緒に検討し、幼少期等の影響が今日のクライアントに影響を与えていないかを丹念に検討します。
そして、自分自身は傷を負っているという認識の獲得を丁寧に促していきます。
(2)他者非難
傷を負ったのは本人の責任ではありません。
それは適切な養育を与えなかった周囲の大人たちの問題です。
よって、過去に受けた傷と今日の影響が明らかになったところで、クライアントは他者非難の感情を往々にして抱きます。
これはネガティブな事ではなく、健全な怒りを発露させるという事はカタルシスを生じさせるという意味でも重要です。
また、健全な幼少期を生きる事が出来なかったことを、きちんと嘆くという事も、傷を癒すという意味では非常に重要です。
嘆く事は、意外かもしれませんが自分自身を癒す事にもつながるのです。
(3)責任の所在
ここからが難しい所です。
確かに、幼少期に受けた傷は共依存者に責任はありません。
しかし、現在の共依存者には、原因はともかく自分の状態には責任を持たなければなりません。
その責任を引き受けられるように促していきます。
(4)生き続けるという事
過去が何であれ、クライアントは今と未来を生きるしか道はありません。
まだ完全に傷は癒えていないでしょうから、いわゆる二次症状は完全には消えていません。
しかし、少しずつソーシャルスキル等を身に付けながら、健全な人間関係を構築して生き続けられるように心理カウンセラーがサポートします
同時に、日常生活を振り返って、一次症状・二次症状が出ていないか、出ているとしたらどのような形で表れているのか、という事をチェックし、日常生活でも自分自身をモニタリングできるようにしていきます。
この辺は、認知行動療法のスキーマ療法に通じる部分がありますね。
(5)過去の自分との統合
過去の傷を負った不完全な自分自身も、まぎれもなくその共依存者の一部です。
その共依存な自分をも受け入れて、健全な自分と同様に自分に愛を向けるという事をする事によって、両者は統合されていきます。
つまり、ありのままの自分をありのまま認めて、少しずつ機能的な自分自身を生きる事が出来るようにアシストする、という事が必要となります。
~・~・~・~・~・~・~・~
こうしたプロセスには正確に言うと様々な心理療法のワークを用います。
私の場合は認知行動療法とヒプノセラピーが専門ですので、まずは認知行動療法を先行させながら、必要に応じてヒプノセラピーを補助的に行うことになります。
ただ、役に立つという事であれば、どの心理療法を使っても間違いではありません。
大切なのは、クライアントの機能的な側面を早い段階で見つけ出し、その機能的な自分を生きる事が出来るように心理カウンセラーとしてアシストする事が大切、という事です。
では、長くなりましたのでこの辺で!
ではでは~!
※ ※ ※
駒居義基の心理セッションメニューはこちら
お問合せ・お申し込みはこちら