■ヒプノセラピー、カウンセリングに共通するものとは?
ヒプノセラピーもカウンセリングも、クライエントの心を中心にしています。
具体的に言うと、クライエントが必要としている「心の変化」を生み出すことです。
そのプログラムが変わらなければ、思考も感情も行動も変わりようがありません。
そうした意味で、潜在意識にアプローチするという点では、ヒプノセラピーもカウンセリングも共通しています。
しかし、ヒプノセラピーとカウンセリングは、次の違いがあります。
■セッションで行うことは、なに?
一般的にカウンセリングの場合、クライエントとセラピスト(カウンセラー)の対話から成り立ちます。
その対話を通して自己洞察を深めたり、また協同して1つの課題に取り組んだりします。
一般的にカウンセリングは「クライエントの話を聞くだけ」と思われがちです。
しかし実際には、カウンセリングではセラピストも積極的に話しをする場面も珍しくありません。
そこで問題を整理したり、解決策を一緒になって考えたりするアクティブなものなのです。
一方、ヒプノセラピーでは最初のヒアリングでは色々とクライエントのお話を伺いますが、ヒプノセラピーが始まると、クライエントはセラピストのガイドに耳を傾けることが主となります。
もちろん、場面によってはクライエントが話しをしたりすることもありますが、基本的にクライエントはガイドを聞きながら、浮き出てきたイメージに身を任せる状態となります。
表面的な違いはこのようなものですが、最大の違いは「意識の状態」です。
■意識の違いとは?
カウンセリングの場合、対話が主ですから、主に理性を使ったものとなります。
当然、その対話の中で潜在意識から湧き出てきたイメージにフォーカスすることもあります。
そこで感じた感情を見つめるということも行います。
しかし、やはり対話を通したものなので、顕在意識が働いている状態と言えるでしょう。
一方、ヒプノセラピーの場合は、最初から潜在意識に働きかけます。
クライエントはセラピストのガイドに沿って潜在意識から浮かんでくるイメージや感覚に集中しています。
このとき、クライエントはリラックスしていながらも感覚やイメージに集中しており、この状態が潜在意識をオープンにしているのです。
この違いを実際の効果という点で考えてみましょう。
■効果はどう違うの?
カウンセリングの場合、セラピストとの対話を通して「理性的に納得する」という段階が必要になります。
つまり、頭でちゃんと納得することで、潜在意識のプログラムを書き換えるのです。
一方、ヒプノセラピーの場合は、直接的に潜在意識にアプローチします。
いわば、直接プログラムを書き換える作業と言えるでしょう。
もちろん、自分の意にそぐわないプログラムの書き換えが行われた場合、それは効果は出ません。
この場合の「書き換え」とは、あらかじめ納得している内容に限られます。
だから、「理性的な納得」はヒプノセラピーでも同じです。
ただ、書き換える方法が、ヒプノセラピーの場合はダイレクトなのです。